| 説明 | 下宿住まいの若い男女。明け方に不意に帰宅した男に、布団の上で寝ぼけ姿の女。「真っ赤な筒袖の長襦袢のような物を着て、束髪はスッカリ解いてしまい、中のあんこの引きだしたのが、枕頭に拡げた新聞紙の上に、ピンや櫛とともにだらしなく載せてある」。大きな束髪は日本髪以上にたくさんの梳き毛を入れなければならないが、蒸れるし、重くもあるので、自分で器用に結えるような髪なら、寝るときは抜き取ることもできる。しかし、その臓物をその辺に並べておかれるのは、男にとっては興醒めだろう。もっとも一間きりの下宿住まいや、そうでなくても身じまいの場所もない狭い家では、ある程度まではやむを得なかったかも。とくに寝間着の用意もない場合は、女性は上のきものだけを脱いで畳むか吊すかして、長襦袢で横になることになる。若い女性の長襦袢はたいてい地赤なので、女になんの気がなくても、男には挑発的に感じ取られることもある。女性の寝間着についてのこんな言い分がある。「かなり大家の奥様だって、伊太利ネルの腰巻きに洗い晒しの浴衣に相場が決まっていやがるからね」。(寺尾幸夫「着物」【女性】(プラトン社) 1927年7月) 。1920年代後半以降に女性に愛用されたネルの都腰巻くらい、繊細な男性の、ある種の意慾を減退させたものはなかった、といわれる。この文章にはさらに次の一句がつづく。「男と生まれた甲斐にゃ偶(タマ)には緋縮緬の長襦袢が見たくなるさ」。(大丸 弘) |
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| ID No. | E23-003 |
| 出典資料 | 読売新聞 |
| 発行年月日 | 1925(大正14)年2月15日号 4面 |
| 画家・撮影者 | 清水三重三(佐藤三重三)(1893-1962) |
| 小説のタイトル | 月のゆくへ(57):木瓜の花(7) |
| 作者 | 上司小剣(1874-1947) |
| 資料タイプ | 挿絵 |
| 身装画像コード | Vna:[長襦袢;襦袢] D5ne:[寝巻;ナイトウエア] Jhu:[ふとん・ベッドに横たわる;寝道具] |
| 時代区分・年代 | 20世紀前半;1925(大正14)年 |
| 国名 | 日本 |
| キーワード | 緋色の長襦袢;枕;布団 |
| 男女別 | 女性 |
| 体の部分 | 全身;坐臥 |