近代日本の身装文化(身装画像)
説明 いまから六,七年ほど前の回顧場面。ふた親を亡くした主人公の若者が、家を畳んで下谷の素人下宿に引き移る。下宿屋として看板をあげているところのほかに、使っていない一間を堅い人に貸して、家族的に食事を提供してわずかの収入を得る素人下宿がいくらもあった。家主はまだそれほどの年ではない後家さんで、このとき二十五歳の主人公はもう学生ではなかったが、紺絣の単衣に白いしごきの兵児帯、下にYシャツを着込んで五分刈り頭、というのは書生さんの見本のよう。このとき十六だった娘には地方在勤の兄がいても、家は女中を含めて女ばかりだから、若い男性がいてくれるのは家主にとっても心強い。「六畳賄い付娘付」などという、よく聞こえないような声で挨拶するその娘は、「大形の縮の単衣に、友禅縮緬と紫繻子の腹合せの帯をして、髪は銀杏返しに、今朝結ったばかりの艶々しい頭で、母の後に身を隠すように坐っていた」。大形というのは小紋や中形に対して大きな柄を云うのだが、中形が浴衣の柄を代表するようになって、いつのまにか大形という言い方はなくなってしまった。(大丸 弘)
ID No. D12-004
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1900(明治33)年6月16日号 8面
画家・撮影者 阪田耕雪(坂田耕雪)(1871-1935)
小説のタイトル 現世相(27)
作者 水谷不倒(1858-1943)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
D014:[若い男(20歳前後~30歳前後)]
D2ot:[男の髪型]
Qkas:[絣]
Vob:[帯]
D003:[少女(ほぼ女学生の年頃(12~15,16歳))]
D2ic:[銀杏返し]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
D005:[20~30歳代の女性;年増]
D2ma:[丸髷]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
時代区分・年代 19世紀終わり;1900(明治33)年
国名 日本
キーワード 五分刈り頭;絣のきもの;兵児帯;ワイシャツ;ホワイトシャツ;ワイシャツの襟と袖;総柄のきもの;お太鼓結び;帯揚げ;帯締め;眉落とし;竪縞のきもの;煙管(きせる);煙草;煙草盆;襖(ふすま);簀戸(すど);簾戸(すど);葦戸(よしど)
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥