近代日本の身装文化(身装画像)
説明 客に来て、仮病を使って横になっている娘。この家の息子が見舞いに上がってきた。ふたりともこの相手と結婚するかどうか迷っているような関係。娘は二十歳位、髪は夜会結びと前々回に説明されている。息子が上がってくる少し前、娘は鏡の前で、「乱れたる束髪の鬢(ビン=横髪)の毛を、疎斑(パラフ)の鬢櫛(ビンカキ)もてしずかに梳(カ)く」とある。髪は日本髪でも束髪でもいっぺん形よく結ったあとは、次ぎに壊して結い直すまでのあいだ、櫛を使って乱れた髪をそっと梳いておさえることが必要だった。これを撫付けといい、髪結へ撫で付けだけに行く人も多い。バラフというのは美しい斑点のある鼈甲で、「散斑」とも書く。そのあと彼女は「新聞紙に包みたる島田の髷入れを、丸髷のように折りて頭へ載せ、合わせ鏡してにっこりと笑う」。いま束髪に結っていても、いつでも娘島田に結い変えられるよう、島田用の髷入れはいつも持っている。それを人妻の結う丸髷風にして、そんな自分を想像するのだろう。(大丸 弘)
ID No. D11-032
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1899(明治32)年5月11日号 5面
小説のタイトル 解衣(ときぎぬ)(56)
作者 加藤眠柳(生年不詳-1920)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
D2ya:[夜会巻]
Vhao:[羽織]
Vyo:[夜着;夜具;掻巻]
時代区分・年代 19世紀終わり;1899(明治32)年
国名 日本
キーワード 高枕;布団;黒ビロードの布団襟カバー;シーツ;黒紋付き羽織;火鉢;火箸
男女別 男性;女性
体の部分 全身;上半身;坐臥;横臥