近代日本の身装文化(身装画像)
説明 西南戦争の年(1877年)、妹の夫である陸軍中佐に、それとは知らず主人公は戦場の軍役夫として仕えることになった。挿絵の場面は兄と妹が、妹にとっては実の母、兄にとっては育ての親である母親に苦しめられてきた、これまでの生い立ちを、中佐の母に述懐するところ。中佐は四十歳前後ということなので母親もまだ六十そこそこだろう。この時代の人の年齢の見方が窺える。夫を亡くしている女――御後室は切髪にして、その乏しい毛を茶筅(チャセン)風に結んでいる。上に羽織っているのは被布で、肩口をぐるりと囲んでいる黒地の小襟と、胸の両側に四カ所下がっている総角(アゲマキ)が特色。被布は大家の御後室ざまのきまりごとのようだが、この時代は少女から年ごろの娘、また年輩の女性にも広く愛用されていた。すでに祝言が済んでいる妹がまだ娘風の高島田なのは、嫁の年があまりに若くて丸髷が似合わない、という配慮のためだろう。(大丸 弘)
ID No. D10-082
出典資料 報知新聞
発行年月日 1898(明治31)年8月30日号 1面
画家・撮影者 鈴木華邨(1860-1919)
小説のタイトル 捨子の出世(22)
作者 長野楽水(生没年不詳)[編];村井弦斎(1863-1927)[閲]
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D007:[女の老人]
D2:[ヘアスタイル]
Vhi:[被布]
D2sim:[島田;高島田]
Vob:[帯]
時代区分・年代 19世紀終わり;1898(明治31)年
国名 日本
キーワード 切り髪;小襟;総角(あげまき)の房;座布団;高島田;竪縞のきもの;格子のきもの;兵児帯
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥