近代日本の身装文化(身装画像)
説明 床を取る女。〈自惚〉では主人のお嬢様が女中に命じて、来客のための床を、客間の隣に取らせている。〈独り寝〉では酔って帰った主人のために、夫婦の部屋に下女が布団を敷いている。両方とも学者の家で、暮らしは上流の下くらいには属する。東京方面ではこの時代は袖つきの掻巻がふつうだった。黒天鵞絨(ビロード)の襟のついていることも共通している。敷布を敷く習慣はまだ一般的ではなかったので、〈自惚〉では敷布がない。敷布は最初は縦長で、上下だけ布団の下に巻き込んでいたが、〈独り寝〉の敷布は縦横とも寸の短い白布を、ただ置いてあるだけのように見えるが、敷いている途中なのだろうか。またこちらは枕も日本式の括り枕でなく、洋風のものを使っている。〈独り寝〉では女中が夫婦の蒲団を並べて敷こうとすると、夫が自分のだけを真ん中に敷けと命ずる。ふたり寝用の四布(ヨノ)布団もあったが、わが国では貧乏人の親子兄弟、あるいは夫婦が、仕方なしにひとつ布団で寝る以外、西洋の夫婦ダブルベッドのような習慣はなかったのではないか。(大丸 弘)
ID No. D08-109
出典資料 報知新聞
発行年月日 1899(明治32)年3月4日号 1面
画家・撮影者 鈴木華邨(1860-1919)
小説のタイトル 日の出島:老松の巻 自惚(うぬぼれ)
作者 村井弦斎(1863-1927)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード Jhu:[ふとん・ベッドに横たわる;寝道具]
Vyo:[夜着;夜具;掻巻]
D4ge:[下女;下男;召使い]
Vka:[掛襟]
時代区分・年代 19世紀終わり;1899(明治32)年
国名 日本
キーワード 括り枕;布団;黒ビロードの布団襟カバー
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥
関連情報 D08-109, D08-120