近代日本の身装文化(身装画像)
説明 どこやらの社で祈願を捧げる女。じぶんの不心得のため離縁になった女が、なんとかして復縁しようと儚い努力をしている。夫と別れても髪はやはり有夫のしるしの丸髷。丸髷は新婚のみずみずしい大丸髷から、年齢の進むにつれ小さくなってゆくのだが、その大きさで心柄があるていど知れる。帯は引っかけ結び。お太鼓に比べてザツな結び方で、ふつうは堅気の女が外出のときに結ぶようなものではない。この女性はけっこう遠出であるにもかかわらず、持ち物といえば蝙蝠傘一本。そのほかの細々したものはみな、懐(フトコロ)か、袂か、帯の間に挟むかしてたいてい間に合った。蝙蝠傘は杖の代わりでもあるだろう。畳生活から生まれた前屈みの癖は、早い年齢で脊椎湾曲の傾向を生み、杖や蝙蝠を突くと楽、という習慣がまたそれを助長した。(大丸 弘)
ID No. D08-102
出典資料 報知新聞
発行年月日 1897(明治30)年10月13日号 1面
画家・撮影者 鈴木華邨(1860-1919)
小説のタイトル 日の出島:鰌の水
作者 村井弦斎(1863-1927)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2ma:[丸髷]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
Wkas:[傘]
D804:[おそれ・へりくだりの表現;祈りのかたち]
時代区分・年代 19世紀終わり;1897(明治30)年
国名 日本
キーワード 引っ掛け結び;ひっかけ結び;洋傘;蝙蝠傘;こうもり傘
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥