近代日本の身装文化(身装画像)
説明 日清戦争(1894年,1895年)に便乗した際物小説のひとつ。将軍の令嬢であるヒロインは、惰弱な遊民である隣家の男爵家の息子を嫌っていた。しかしどうしても想う人と結婚したいというその若者は、一念発起して身を軍籍に投じ、いま麻布の兵営で心身ともにしごかれている。その心根を汲んだ令嬢は、兵営に若者を訪ねて将来の約束をする。令嬢は、きものの上からすっぽり大きなショールを羽織っている。赤ゲットといえばずっと後の時代までお上りさんや田舎者の代名詞になったが、身体がすっぽり隠れるようなウール地の布を羽織る風俗は、1880年頃(ほぼ明治10年代半ば)以後、流行不流行の波はあっても、明治時代を通じて大正の初めまで続いている。もちろんお嬢さんの掛けているのは、舶来の上等の品で車夫や田舎者の使う赤ゲットとはちがうが、太縞の模様が多いという点には共通性がある。お嬢さんの髪は縦型の束髪で、髪をかなり捻っている点で夜会に近い技巧的なスタイル。真ん中に真珠の飾りをつけているのも、例の少ないおしゃれ。(大丸 弘)
ID No. D07-070
出典資料 都新聞
発行年月日 1895(明治28)年1月22日号 1面
小説のタイトル 唐衣(16)
作者 遅塚麗水(1866-1942)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2so:[束髪(前期縦型の)]
Whou:[宝石;貴金属;真珠]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Wku:[頸覆い(マフラー,ストール,襟巻,ショール)]
D4gu:[軍人;武人;騎士]
Jhi:[人と動物;ペットと人]
時代区分・年代 19世紀終わり;1895(明治28)年
国名 日本
キーワード 後ろ姿;夜会巻風;真珠の飾り;ショール;軍人;厩舎;馬
男女別 男性;女性
体の部分 全身