近代日本の身装文化(身装画像)
説明 大阪・梅田発、東京行きの列車が駅を出てまもなくの車中で、たまたま話し相手になった紳士と若い女性。紳士はストライプのズボンにハイカラーのモーニングコート、それにしては初対面の女性に対してなれなれしすぎるし、少し行儀も悪い。娘は小紋のきものに縞の羽織、髪ははっきりしないが蝶々風。頬杖を突いている隣の老人の座布団同様、敷いているケットは持参だろう。紳士は若い女ひとりの長旅に驚き、途中名古屋で一泊したらどうかと勧めている。なんだったら私も同宿しましょうと。神戸・新橋間が全通したのが六年前1889(明治22)年のこと、人々の頭のなかでは、片道ほぼ十九時間の東京でも、まだよほど遠いところだったのかもしれない。二等の車内はキルティングのある立派なシートだが、長距離の急行らしくない二行向かい合わせ、その座席にふたりの和服の男が履物を脱いで上がって、居眠りしている。畳に座り慣れた日本人は長時間腰掛けることができず、車内のこうした恰好は、第二次世界大戦後でもわずかながら残っていた。(大丸 弘)
ID No. D07-039
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1895(明治28)年10月14日号 2面
画家・撮影者 稲野年恒(可雅賎人)(1858-1907)
小説のタイトル 霧の籬(きりのまがき)(3):汽車の邂逅(3)
作者 宇田川文海(半痴居士)(1848-1930)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G70:[電車;汽車]
Jno:[乗り物の中]
D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
Wne:[ネクタイ;ネックバンド]
Wme:[眼鏡]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
Wkut:[靴;サンダル;靴修理;靴磨き]
D2ni:[日本髪一般]
Vhao:[羽織]
Wge:[下駄;クロッグ]
時代区分・年代 19世紀終わり;1895(明治28)年
国名 日本
特定地域 大阪
キーワード モーニングコート;チョッキ;ネクタイ;ワイシャツ;ホワイトシャツ;立ち襟;スタンドカラー;縞のズボン;煙草;蝶々髷風;小紋のきもの;竪縞の羽織;ブランケット;ケット;膝掛け;座布団:のめり下駄;堂島下駄;小町下駄
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥