近代日本の身装文化(身装画像)
説明 放蕩の味を覚えた大家の若旦那と、思い思われている相手の芸者、きょうは亀戸の梅屋敷への梅見の一日。若旦那は「二重外套(マント)の襟深く引立て、帽子目深に面を隠し」その帽子は黒の山高帽、裾ぶきの多く出た縞の綿入小袖の上に着た二重外套は、マントとルビがついているがもちろんマント(mantle)ではない。この時代の日本人は、マントということばを拡大解釈していた。履いているのは表付きのノメリの下駄、ステッキを突く紳士の習慣はまだ失われていない。女は「お高祖(コソ)頭巾に美しい顔を包み其上にすっぽりと被(ハオ)る肩掛」とあって、コートが冬の女性の外出に手放せなくなるより、もうすこしだけ前の時代。梅見団子売りの小僧は筒袖ばんてん(半天)の尻ッぱしょりに、紺の股引草履ばき。向こうむきに腰を下ろしているふたりは、眼鏡を掛け、襟巻をした禿頭の老人と、黒の紋附羽織に袴を穿き、いまはあまり見かけなくなった山岡頭巾風のものを被った男。(大丸 弘)
ID No. D07-026
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1895(明治28)年6月4日号 5面
画家・撮影者 稲野年恒(可雅賎人)(1858-1907)
小説のタイトル 殺人罪(4)
作者 井上笠園(笠園主人)(1867-1900)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Vwa:[男性和装外套]
Wge:[下駄;クロッグ]
Wtu:[杖;ステッキ;松葉杖]
Wzu:[頭巾;覆面]
Wku:[頸覆い(マフラー,ストール,襟巻,ショール)]
Vhat:[半天;どてら]
D3su:[裾;褄;端折り;からげ]
Vmom:[股引]
Wzo:[草履;草鞋]
Wme:[眼鏡]
Vhao:[羽織]
時代区分・年代 19世紀終わり;1895(明治28)年
国名 日本
特定地域 東京;亀戸
キーワード 山高帽子;[インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント];のめり下駄;御高祖頭巾;おこそ頭巾;房付きのショール;小町下駄;筒袖半纏;尻端折り;首巻;山岡頭巾風;黒紋付き羽織
男女別 男性;女性;男児
体の部分 全身