近代日本の身装文化(身装画像)
説明 ふたつの画面では向かい合う二人の人物の右側が、よく似た、というよりほとんど同じポーズをとっている。まだ二十代後半の男が、右手に煙管を持ち、左手には煙草入れをつかんで、その握った拳で右手の肘を支えている。刻(キザミ)煙草は一服吸うごとに、煙草入れの刻み(の葉)を補給しなければならないので、こうしたある程度きまったポーズが生まれる。もっとも、描いた画家が同じ稲野年恒だから、彼の描き易さがいくぶんかはあるだろう。縞のきものに羽織を重ね、小さな首巻をしている。きものの下は〈結ばぬ縁〉の帰朝者が白Yシャツ、〈殺人罪〉の方はメリヤス編みのスエータ風。さすがにふたりとも紋附羽織ではなさそうだが、きものの下に着込んだYシャツの、襟元や袖を剥き出しにして着る習慣は、日露戦争(1904年,1905年)後にはだんだん廃れてゆく。(大丸 弘)
ID No. D07-024
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1895(明治28)年6月2日号 5面
画家・撮影者 稲野年恒(可雅賎人)(1858-1907)
小説のタイトル 殺人罪(2)
作者 井上笠園(笠園主人)(1867-1900)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D014:[若い男(20歳前後~30歳前後)]
Vhao:[羽織]
Wku:[頸覆い(マフラー,ストール,襟巻,ショール)]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
Wme:[眼鏡]
D1hi:[ひげ]
時代区分・年代 19世紀終わり;1895(明治28)年
国名 日本
キーワード 竪縞のきもの;メリヤス編みのセーター風の袖口;ワイシャツ;ホワイトシャツ;首巻;煙管(きせる);刻み草入れ;八字髭;煙草盆;座布団;襖(ふすま)
男女別 男性;女性
体の部分 全身;上半身;坐臥
関連情報 D07-014, D07-024