近代日本の身装文化(身装画像)
説明 出は鹿児島県士族、今は「大阪紳士の随一人、上等社会にもおさおさ勢力あり」という豪商の一家、第4回では、東京遊学から帰郷した一人娘を迎え、いま奥の広間で晩餐がはじまる。床の間を背負っている客は陸軍中尉で、帰郷した娘は自分の相手と決めこんでいるが、隣に座っているこの家の養い娘で、従妹のヒロインがそれを妬ましく思っていて、袖口を噛んでいる。第1回ではこの娘を「芳紀十八九と思わるる絶世の美人」と紹介しているが、浮世絵師歌川国峰の描く顔は相変わらずのつり目と、摘んだようなおちょぼ口。高島田の髷の頂きに、リボンをつけているのはこの時代以外にはないことで、束髪でのリボン流行の真似だろう。一方この家の束髪娘については、「ツンとすまして嫣然(ニッコリ)ともせず、殊更に鷹揚に構えて、人を人とも思わぬようなる、小面の憎き素振り」とか、「サッサと歩みゆく足の運びも、男を欺くばかり」といった性格づけが続く。東京に比べると大阪では、束髪を結う女に対する一段の疎外感があったよう。(大丸 弘)
ID No. D07-003
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1895(明治28)年2月9日号 5面
画家・撮影者 歌川国峰(1861-1944)
小説のタイトル 愛惜(あいじゃく)(4):晩餐(上)
作者 宇田川文海(半痴居士)(1848-1930)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H10:[家族の食卓;カンバセーションピース;アンティミスト]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D2sim:[島田;高島田]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
D4gu:[軍人;武人;騎士]
Vhao:[羽織]
時代区分・年代 19世紀終わり;1895(明治28)年
国名 日本
キーワード 豪商;浮世絵風の顔;陸軍中尉;高島田;リボン;火鉢;床の間;地袋;襖(ふすま)
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥
関連情報 D07-001, D07-003