近代日本の身装文化(身装画像)
説明 文筆で身を立てかけている若者。東京で心優しい女性と同棲している。そこへ、故郷から男を勝手に慕う女が家出して押しかけてきた、という図。憎まれ役の押しかけ娘の方は束髪。襖の陰で様子を窺っている女の方の髪型ははっきりしないが、唐人髷のようにも見える。唐人髷はこの時代、二十歳前後の娘のいちばんふつうの髪型だった。押しかけた娘の束髪はまだ前髪がなく、縦にだけ盛り上げる、1890年代(ほぼ明治20年代)のスタイル。かたわらに置いている大きな鞄は、束髪とともに、この娘なり娘の家なりの、けっこう開化かぶれであることを示唆している。もともと日本人は持ち物は肩に担ぐのがふつうで、手に提げるための道具はほとんど持たなかった。鞄の類を利用しはじめても最初は布製の胴乱、と呼ぶものがふつうだった。ここに描かれているのが布製の胴乱か革製かはっきりしないが、持ち手や口金や回してあるベルトなど、舶来の鞄式の構造であることは確か。(大丸 弘)
ID No. D06-061
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1894(明治27)年8月30日号 5面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 草枕(25)
作者 島田澄三(生没年不詳)[遺稿];渡辺霞亭(黒法師)(緑園)(朝霞隠士)(無名氏)(匿名氏)(1864-1926)[添刪]
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2ni:[日本髪一般]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
Wka:[鞄]
D5ry:[旅装;旅姿;旅装束]
時代区分・年代 19世紀終わり;1894(明治27)年
国名 日本
特定地域 東京
キーワード 唐人髷;前髪;トランク
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥