近代日本の身装文化(身装画像)
説明 海運業を経営していた夫の死んだあと、その妻は「四十になるやならずの、まだ水々とした大年増」、また一人娘は「鬼も十八の娘盛り、ましてや色が白うて鼻が高うて、背のすらりとした姿恰好」で、「少なからぬ下男下女を使うて何不足ない暮らし」。第7回,第10回は、戸を開け放った夏座敷の庭近くに端居(ハシイ)して涼んでいるのは同じだが、第7回は朝食後、第10回は夕暮れどきという違いは、この挿絵ではわからない。また第10回が竹簀の子の濡れ縁なのに対し、第7回の方は幅の広い廊下で、すぐ近くには厠(カワヤ)があるらしく手水鉢(チョウズバチ)が見える。どちらにしても使用人まかせの家庭で、親子が家事に手を出す必要などなにひとつないことが、親子のとりなり――すがた物腰にも窺える。母親は丸髷で、夫のあるなしには関係なく、四十というこの時代では初老のうちに入りかけた年並みの大きさ、娘の髪は桃割れ風、掛け物によって派手な見ばえになっている。ふたりの着ているのは木綿浴衣ではなく、絹の単衣もので、とくに関西で紅梅と呼んで夏の家着にも、外出着にもした。(大丸 弘)
ID No. D06-026
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1894(明治27)年8月10日号 2面
画家・撮影者 稲野年恒(可雅賎人)(1858-1907)
小説のタイトル 底の藻屑(7)
作者 菊池幽芳(あきしく)(1870-1947)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G043:[縁先;縁端]
D006:[初老の女性(40~50歳代)]
D2ma:[丸髷]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D2mo:[桃割れ]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
Wou:[扇子;団扇;扇風機]
D016:[中年~初老の男性]
Wme:[眼鏡]
D1hi:[ひげ]
Qkas:[絣]
Vhao:[羽織]
時代区分・年代 19世紀終わり;1894(明治27)年
国名 日本
キーワード 廊下;簾(すだれ);手水鉢(ちょうずばち);柄杓(ひしゃく);うちわ;眉落とし;絹の単衣もの;紅梅;膝をくずす;後ろ姿;八字髭;飛白のきもの
男女別 男性;女性
体の部分 全身;上半身
関連情報 D06-026, D06-027, D06-028