近代日本の身装文化(身装画像)
説明 初卯の日の街を行き交う人。作者はストーリーを推しすすめるというより、人物と人物の絡み、気のきいたことばのやりとりに重きを置いている。具体的な時代設定ははっきりしないが、やや遡った、明治10年代(ほぼ1880年代)くらいの、東京の下町の正月風景か。結綿風の高髷を結った娘に声をかけている老婆、老婆は黒襟のかかった小紋のきもので、裾をすこし引きあげて帯に挟んでいる。履いているのは表の付いたノメリの下駄で、婆さんとしては正月の晴着だろう。塗りのポックリを履いた娘は、華やかな総柄の晴着の前褄を大きく引き上げている。この時代の正月は、たいていの家では女はまだ裾を曳いていて、外へ出るときは前を引き上げねばならず、ちょっとした家ではまだ三枚襲がふつうだったから、白魚のような指では、厚綿入のその褄取りも楽ではなかったろう。(大丸 弘)
ID No. D04-058
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1892(明治25)年3月18日号 2面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 浮沈(4)
作者 幸堂得知(東帰坊)(1843-1913)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード Jsi:[街・集落の景況;行き来の人の姿]
Jnn:[年始のひとと街;正月の行事と遊び]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D2yu:[結綿]
D3su:[裾;褄;端折り;からげ]
D007:[女の老人]
D2ni:[日本髪一般]
Vka:[掛襟]
Wge:[下駄;クロッグ]
時代区分・年代 19世紀終わり;1892(明治25)年
国名 日本
特定地域 東京
キーワード 下町の正月風景;結い綿風;髷;総柄のきもの;褄取り;老婆;小紋のきもの;黒襟;日和下駄;木履;ぽっくり下駄
男女別 男性;女性
体の部分 全身;群像