近代日本の身装文化(身装画像)
説明 芸者に出た娘が売れっ子になったのを、だれよりも喜んだのはその母親だったろう。娘を売ったときにすでにまとまった金を懐にしたのだが、その後もなにかというと小遣いをせびりに来る。芸者は置屋に抱えられていても、外出は勝手だし、ときには遊びにくるなじみの客もあるから、娼妓のように長襦袢でいるようなことはない。派手な柄のきものに細帯をぞんざいに締めて、すでに吸い覚えたらしい長煙管を、下げた額につっかえ棒にしているこのなりたての芸者は、「おっかさん、わたしは抱えの身ですから、お座敷で貰うものはみんな家(芸者置屋)へだしっちまうのです」と、苦しい言い逃れをしている。その髪は芸者島田、母親はまだ四十代のはずにしては老け過ぎている。髪はわからないが、小さな丸髷か、手づくねのいぼじり巻(疣毟巻)だろう。(大丸 弘)
ID No. D03-090
出典資料 改進新聞
発行年月日 1891(明治24)年6月23日号 4面
画家・撮影者 橋本周延(楊洲周延)(1838-1912)
小説のタイトル 新橋芸者:世中ハ〈斯んなもの〉
作者 村井弦斎(1863-1927)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H311:[私室;小部屋(寝具のないこと);ブドワール]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D7ge:[芸者;半玉;舞妓]
D2sim:[島田;高島田]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
D006:[初老の女性(40~50歳代)]
D2:[ヘアスタイル]
Wmae:[前掛;エプロン;割烹着]
時代区分・年代 19世紀終わり;1891(明治24)年
国名 日本
キーワード 芸者島田;櫛;笄(こうがい);長煙管(きせる);膝をくずす;疣毟巻(いぼじりまき);いぼじり巻;前垂れ;煙草盆;鏡台
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥