近代日本の身装文化(身装画像)
説明 信濃国は姨捨山にほど近い山村の郷士の娘、父にも母にも先立たれて十五になる姉と九つの妹とが二人だけの暮らしをしている。その暮らしをどう立てているのかの具体的な説明はないが、第2回の座敷の、ふたりの背後の障子をみれば貧しい不自由な生活であるらしい。「絹布を纏い居るものの、八丈やら銘仙やら見え分ぬほどべとべとに汚れたる綿入を着て、亀綾の羽織を重ね、縮緬の帯のくたくたなるを纏いつつ」というのが姉。「鬼の反吐ほどに汚れてはいるものの、元はさぞかし華やかにありつらん反古染の友禅に、なにやら絹の羽織を着せて、緋博多の帯を締めさせている」のが妹。第3回,第4回は両親の墓参りの途中で、草履をはいて蝙蝠傘を手にしているだけで着ているものはすこしも変わっていないから、あるいはこれが着たきり雀か。数え十五の娘には着ているものの洗い濯ぎはむりなのだろうし、絹ものの綿入れや袷のきものの手入れは滅多にするものでもないから、べとべとに汚れたる綿入、というのもこの時代、そうめずらしくはなかった。もっとも、丹念に模様の描き込まれた挿絵では、いずれも若い娘の着る華やかな衣裳のようにしか見えないが。姉の髪は鹿の子を掛けた結綿風、妹は稚児髷の変形のようだがよく分からない。(大丸 弘)
ID No. D01-218
出典資料 やまと新聞
発行年月日 1889(明治22)年12月6日号 1面
画家・撮影者 水野年方(1866-1908)
小説のタイトル 姨捨山(2)
作者 冨田一郎(一筆庵主人)(生没年不詳)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D002:[女の子(小学生くらい)]
D2ni:[日本髪一般]
D2yu:[結綿]
Vhao:[羽織]
Vkat:[肩揚げ]
Esa:[裁縫;裁縫実習;裁縫用具;ミシン]
時代区分・年代 19世紀後半;1889(明治22)年
国名 日本
特定地域 信濃;長野
キーワード 貧乏;破れ障子;火鉢;結い綿風;稚児髷風;裁縫箱;針山;物差し
男女別 女性;女児
体の部分 全身;坐臥
関連情報 D01-218, D01-219, D01-220