近代日本の身装文化(身装画像)
説明 作者はなにを書こうかとの腹案もないまま、有志婦人懇談会という名前にかこつけて、いまをときめくような美女たちのタイプを並べ、そのそれぞれについてのありそうなストーリーを展開しようというもの。この日はさしあたり全員集合で、女性のタイプのヴァリエーションは、挿絵の田口年信の意見もかなり汲んでいることだろう。それにしても、浮世絵二百年の刷り込みの強さというか、美人顔の画一性には感心する。一番上の被布の女性は前髪を短く切って散らした束髪で、編んだ髪を巻き上げている。もう一人の束髪は三段目中央の女性。スタイルは上段の女性とまったく同じらしく、大きな花簪(カンザシ)も同一。二段目左の黒襟付きの格子縞のきものを着た女は、着ているのは女房風だが髪は潰し島田。その右の女性は手拭いを吹き流しにしていて髪はわからないが、二重瞼に描いてあるのはこの時代ではめずらしい。三段目の左側の女は、粗い縞の襟付きのきものを着て、肩に手拭いを載せて腕まくりしたところ、荒っぽい社会で生きている女性と見る。三段目の右はこれは隠れもない芸者。黒の「出の衣裳」の左褄を取って、襟元をチョイと押さえたポーズ。褄と一緒に大きなハンカチーフをつかんでいるのは開化の流行か。髪は当然島田だが、全体この絵の髪はだれもの髷がばかに大きく。これは当時の大阪の好みだったのだろうか。一番下の段の一人は古風なお姫様スタイルで、高島田の比較的小さい前髪の根に挿した、大きな櫛と花簪が看板のよう。(大丸 弘)
ID No. D01-015
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1889(明治22)年6月19日号 3面
画家・撮影者 田口年信(二代目年信)(白井勝沅)(修斎国泰)(仙斎年信(二世))(1866-1903)
小説のタイトル 百花苑(1)
作者 羽山菊酔(羽山尚徳)(菊酔山人)(洗竹居主人)(生没年不詳)[編]
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2so:[束髪(前期縦型の)]
D2ni:[日本髪一般]
D2sim:[島田;高島田]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vka:[掛襟]
Vhi:[被布]
Wta:[タオル;手拭い;手拭い被り]
D3su:[裾;褄;端折り;からげ]
Whan:[ハンカチーフ]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
時代区分・年代 19世紀後半;1889(明治22)年
国名 日本
キーワード 前髪;花簪;造花;潰し島田;つぶし島田;吹き流し;二重瞼;二重まぶた;黒襟;出の衣装;褄取り
男女別 女性
体の部分 全身;上半身;坐臥