| 説明 | 往診に訪れた医師の診察中、次の間で患者の妻がもてなしのお茶を煎れている。政府高官で豊かな家というだけでなく、この時代としてはずいぶん洋風化の進んだ室内の設え。とはいえこの時代の洋風化には、半世紀後の生活的洋風化とはちがう独特さがある。各部屋は畳でもフローリングでもなく、カーペットが敷き詰められている。部屋の境は和風の襖、壁には床脇風の棚があり、奥様はお茶の接待をするのに敷物の上にぺったり座って、敷物の上にじかに置いたコーヒーカップに湯を注いでいる。背中に痛みを訴えている患者は、ベッドではなく西洋人式にソファに凭(モタ)れている。そのソファ、椅子などは装飾の過剰さと安っぽさのふしぎに混交した民衆的ヴィクトリアンスタイル。奥様の髪は下げ巻風の束髪だが、ほぼ中央で分けているのはこの時代ではめずらしい。(大丸 弘) |
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| ID No. | C21-020 |
| 出典資料 | 東京朝日新聞 |
| 発行年月日 | 1888(明治21)年9月2日号 3面 |
| 画家・撮影者 | 二代目歌川貞広(三谷貞広)(1838-1908) |
| 小説のタイトル | 樹間の月(このまのつき)(48):乱菊(1) |
| 作者 | 宇田川文海(半痴居士)(1848-1930) |
| 資料タイプ | 挿絵 |
| 身装画像コード | H6:[和座敷一般] H310:[応接間;客間;居間;小集会室;サロン;食事以外の家族的情景] D4is:[医師;看護婦;病人の世話をする人] D4by:[病人;けが人;障害のある人] D1hi:[ひげ] Pov:[オーバーコート(外套)] Wka:[鞄] D2so:[束髪(前期縦型の)] D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)] |
| 時代区分・年代 | 19世紀後半;1888(明治21)年 |
| 国名 | 日本 |
| キーワード | 襖(ふすま);ソファ;椅子;絨毯;カーテン;医者;口髭;顎鬚;フロックコート;ズボン;革かばん;往診かばん;聴診器;真ん中分け;コーヒーカップ;西洋式茶瓶;薬缶(やかん);火鉢;戸棚;天袋;金持ち |
| 男女別 | 男性;女性 |
| 体の部分 | 全身;坐臥;横臥 |