近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈遡及資料〉根津遊廓の、ある貸座敷の主人に用事のある法衣屋(コロモヤ)の女房お熊が、永代橋で客待ちの二人曳きの人力車で乗りつける。途中で買ったビール半ダースの手土産を持たせた車夫の一人に、式台に立ったお熊が振り返ってなにか言いつけている。人妻らしい丸髷だが、もうこの時代になると眉は剃っていない。黒襟を掛けた小紋風の柄のきものに対の下着を重ね、塵除けの黒羽織を重ねる。袘(フキ)の大きな裾綿入りのきものはザッと端折っている。家ではまだ裾を曳いているのがふつうの時代。橋のたもとなどで客待ちの車夫には風体の悪い者が多かった。背中に引っかけているケットは客の膝に掛けるのが目的だが、客のないときには自分が引っかぶっている者が多く、女客などは汚がった。半纏に半股引は〈車夫規則〉に従っているが、裸足も注意の対象になった。こういう職業・階層の男は、舗装もない道を裸足でも平気だったらしい。(大丸 弘)
ID No. C14-093
出典資料 都新聞
発行年月日 1895(明治28)年12月4日号 3面
小説のタイトル 探偵実話 法衣屋お熊(54)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G023:[日本式玄関構え]
D2ma:[丸髷]
Vka:[掛襟]
D3su:[裾;褄;端折り;からげ]
D4ji:[人力車夫]
Vhat:[半天;どてら]
Vmom:[股引]
Whak:[履物一般(靴以外)]
時代区分・年代 19世紀後半;1881(明治14)年
国名 日本
キーワード 式台;小紋風のきもの;黒羽織;黒襟;裾の袘(ふき);裾綿入りのきもの;半股引;素足;ブランケット;ケット;膝掛け;ビール;暖簾;スリッパ
男女別 男性;女性
体の部分 全身