近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈遡及資料〉この絵は、上野の山下でひょっこり出会った、幇間(ホウカン)とその旦那とのとりとめない噂のなかの情景。旧士族の娘が身を落として芸者に出ている。その世話をしているというと聞こえはよいが、いろいろと義理をからめて芸者にとりついて、「慾(ヨク)の学校でもできれば教師にでもなろうという大変な老婆」。芸者はまだ若いが自前で商売をしているらしく、長火鉢の向こう側、神棚の下が家にいるときの居場所なのだろう。長火鉢の、机でいえば袖に当たる部分は小抽斗(ヒキダシ)になっているのがふつうで、その上を猫板というが、この挿絵ではまさに白猫がうずくまっている。文中で幇間がこの芸者を褒めて、「あれは旧士族さんか何かなんで、はじめの裡(ウチ)は御座敷に出ても手を斯(コ)う逆に突きましたが、アレは中々突けるものじゃアありませんよ」と言っている。貴人の前に出たとき畳に置いた手の指先を相手の方に向けず、逆に置く作法は、それでも明治期の挿絵ではかなり認めることができる。(大丸 弘)
ID No. C07-019
出典資料 読売新聞
発行年月日 1897(明治30)年9月2日号 1面
小説のタイトル 雨後の残月(1)(2)
作者 三遊亭円朝(1839-1900)[口演];酒井昇造(1860-1915)[速記]
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H311:[私室;小部屋(寝具のないこと);ブドワール]
D007:[女の老人]
Vka:[掛襟]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
時代区分・年代 19世紀後半;1874(明治7)年
国名 日本
キーワード 芸者の部屋;襖(ふすま);神棚;三味線;長火鉢;茶瓶;猫板;白猫;長煙管(きせる);煙草盆;座布団;黒襟
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥