近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈遡及資料〉「明治四年(1872年)の正月四日」という日付のついた本文。芝で芸者のお披露目をして間のないヒロインが、姉芸者のなじみらしい紳士のお座敷に呼ばれる。座敷には外に三,四人の芸者がいるらしい。挿絵のふたりの芸者はそろって潰し島田に帯は柳、裾模様のヒロインも、すこしくだけて小紋の姉芸者も三枚襲の春着姿。ヒロインの着ているのはまさか白地ではないが、萌葱とか薄紫とかいう華やかな地色は、挿絵ではふつう白抜きにするしかない。客は「黒羽二重五所紋の小袖に白縮の兵児帯を締め、その頃滅多に見ることも出来ざりし金鎖をだらりと下げた」四十あまりの紳士、というが、絵の表現でもわかるとおり、この時代、四十あまりの男というと、すでに初老に近い貫禄になる。角帯でなく、白縮の兵児帯というのがくだけたところ。時計は男女とも懐中時計だったから、長い鎖を帯に巻きつけたり、首に掛けたりした。森鴎外の『雁』のなかで、和服姿の末造が川岸で時計を見る場面では、わざわざ懐時計と言っている。なんでも袂に入れる当時の人の習慣で、袂時計、という言い方もあった。(大丸 弘)
ID No. C04-002
出典資料 都新聞
発行年月日 1900(明治33)年5月22日号 3面
画家・撮影者 松本洗耳(1869-1906)
小説のタイトル 実譚 江戸さくら(61)
作者 渡辺黙禅(1870-1945)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
D7ge:[芸者;半玉;舞妓]
D2sim:[島田;高島田]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
D016:[中年~初老の男性]
Vhao:[羽織]
Wme:[眼鏡]
D1hi:[ひげ]
時代区分・年代 19世紀後半;1871(明治4)年
国名 日本
キーワード 潰し島田;つぶし島田;三枚襲の春着;柳結び;黒紋付き羽織;三味線;床の間;掛け軸
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥