近代日本の身装文化(身装画像)
説明 〈遡及資料〉稽古に通っている清元の女師匠にそそのかされ、緞帳役者とわりない仲になった娘が、親からべつの男との結婚を強要されて師匠に訴えている。娘の髪は高島田。大きなお太鼓に結んで袖で顔を覆っている。袖という言葉を含んだ熟語成句は多いが、そのなかでも涙に関するものが特別多い。女性が哀しみを表現するとき、ふつうは襦袢の袖を引き出してそっと目を押さえるが、高価なきものの袖で顔を覆う、というのは大泣きに泣くようなとき。師匠はつぶし風の髪で眉を落としている。着ているのは綿入半纏で、下に着ているきものの袂が袖口からはみ出ているのは、広袖であるため。放ち着の綿入半纏は土地によって「丹前」とか「どてら」とかいって、冬の室内着に男女とも愛用されたが、職人などは外出のさいにも着た。たいていは茶色っぽい太縞の柄だが、師匠はさすがに何か小紋風のものらしい。(大丸 弘)
ID No. C03-005
出典資料 都新聞
発行年月日 1897(明治30)年2月4日号 1面
画家・撮影者 富岡永洗(藻斎永洗)(1864-1905)
小説のタイトル 近世実話 岩井松三郎(10)
作者 橋本埋木庵(生没年不詳);羽山菊酔(羽山尚徳)(菊酔山人)(洗竹居主人)(生没年不詳)[刪定]
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7re:[令嬢モデル]
D2sim:[島田;高島田]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
Vob:[帯]
D3ha:[放ち着]
Vhat:[半天;どてら]
D801:[強い悩み・悲しみ・口惜しさ・羞恥の表現]
時代区分・年代 19世紀後半;1870(明治3)年
国名 日本
キーワード 眉落とし;お太鼓結び;帯枕;広袖の綿入れ半纏;袖で顔を覆う;火鉢;急須;茶箪笥(ちゃだんす);花瓶;襖(ふすま);障子
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥