近代日本の身装文化(身装画像)
説明 西銀座の、「学生専門の酒場(バア)のような喫茶店」。作者はこの女性をウエイトレスでも女給でもなく、少女といっている。しかしまた、もう小娘などではない、ともいっている。主人公の友人にとっては、天使兼悪魔、という存在らしい。女の眼は大きく、その「特長のあるくまどった目を正一の顔から離さずに」、彼の前に腰掛けている。主人公は女の視線が気になってしょうがない。目の周りを強調する化粧法も、西洋人のようなはっきりした目になりたいために、外国映画の流行に比例して盛んになった。わが国ではそれまでそういう化粧法はなかった。目尻に紅を差したり、まぶたに赤みを入れたりするのは踊り舞台などのときに限られていて、芸者が目尻に紅を差したりすると、浅草の玉乗りのようだと馬鹿にされた。田口省吾の描いた女のドレスには、微妙な陰影が表現されている。文中にも、「黄色がかったサタンのドレスが、躯にぴったりついて(……)正一にはあまり躯の形のくっきり目立つのが、不思議な感がした」とあって、流行のバイアス・ドレスが素朴な学生の目を奪ったのだ。ただし学生相手の喫茶店の女では、サテンではなく、たぶん人絹だろう。(大丸 弘)
ID No. B14-108
出典資料 都新聞
発行年月日 1937(昭和12)年11月26日号 8面
画家・撮影者 田口省吾(1897-1943)
小説のタイトル 愛情の蔭(21):何処へ?(5)
作者 芹沢光治良(1897-1993)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H12:[大衆的飲食店;居酒屋;バー;カフェ]
D2pa:[パーマネントウエーブ]
D1kes:[化粧;表情;容貌]
Wbu:[ブローチ;襟留め;襟飾り]
Wme:[眼鏡]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
時代区分・年代 20世紀前半;1937(昭和12)年
国名 日本
特定地域 東京;西銀座
キーワード 喫茶店;西洋風化粧;フリルの襟;大学生;制服;西洋カップとソーサー;スプーン;煙草;スタンド
男女別 男性;女性
体の部分 上半身