近代日本の身装文化(身装画像)
説明 大佛次郎の横浜もの。それも山手もの、といってよい。「鉄の柵をめぐらした芝生の庭があって、二階建ての、日曜でないと外から見ても人が住んでいるかどうかもわからないくらい静かな、バンガロウの屋根が曇り日の空の下に浮かんでくる。海に向いた山の上の測候所に天気予報の赤い玉が掲げてあるのが見え、時折の港の船の汽笛が遠いもの憂いものに聞こえてくる。人通りの少ないアスファルト道に沿って並んだ家である」。横浜の人たちはこういう情景に、西洋風生活と西洋人への憧憬を胸の中に育んだ。ヒロインのもとを、新しいドレスの仮縫いに訪れた洋装店の番頭が、もう一枚べつのドレスを見せて、それが二人のよく知っているアメリカ人女性の着ているドレスと同じものと言い、「本当にお似合いになると思いますね、御体格が、どう拝見しても、外国の方のようですし(……)」、そして「ご姉妹のようにお見えになるかもしれません、こちらが妹御さまで」と勧めた。「洋服を着る日本の女で、このことばに媚びられないはずはないと、若い番頭は信じ切っていた」。しかし、この言葉を聞いたヒロインの、明るかった表情は笑いを消して、いつのまにか冷たいものになっていた。(大丸 弘)
ID No. B08-005
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1931(昭和6)年3月28日号 7面
画家・撮影者 熊岡美彦(1889-1944)
小説のタイトル 白い姉(3):道路(3)
作者 大佛次郎(1897-1973)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
Pu0:[アンダーウエア]
時代区分・年代 20世紀前半;1931(昭和6)年
国名 日本
特定地域 神奈川;横浜
キーワード スリップ;シュミーズ;シミーズ;仮縫い
男女別 女性
体の部分 全身