近代日本の身装文化(身装画像)
説明 東京に住む白人――新聞をにぎわせた「不良外人」といわれる連中と、その愛人になっている日本人女性たち。作者の沖野岩三郎はキリスト教の牧師作家だが、幅広い分野の作品があり、この作品は昭和初期の世相の断面を切り取った風俗小説。東京駅丸の内南口の中央郵便局建設工事現場に近い道路、颯爽と立っているヒロインの顔も姿も日本人には見えない。そういえばシルエットだけだがプラタナスの樹に凭(モタ)れている男も同様。丸ビルの隣に建築中の中央郵便局前のペーブメント。「パナマの下から魅力に富んだ二つの瞳がこちらを見詰めている。黒のジョーゼットの訪問着のすそを軟らかい風が媚びるように撫でている。靴のエナメールが宝石でもちりばめてあるように、きらきら光る」というのがヒロイン。パナマというのはもちろん素材のことで、しかしたいていは麦藁などでつくるブリムの広い日除け帽。本物のパナマとなれば安いものではない。腕や足元の透けて見えるジョーゼットや透綾(すきや)、明石などには、かなり大胆なものもあって、警視庁は再三警告を発している。訪問着という言い方は現在では和服だけだが、この言い方が使われだした1910年代からこの時代までは、和洋服ともに、訪問着、訪問服、社交着、社交服、外出服など、ちょっとしたおしゃれ着を呼んでいた。颯爽とポーズした、日本人離れしたスタイルのこの人物は、丸の内辺のペーブメント上という舞台の、出演者として描かれている。(大丸 弘)
ID No. B07-006
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1930(昭和5)年6月22日号 7面
画家・撮影者 幡恒春(1883-1944)
小説のタイトル 闇を貫く(1):序曲(1)
作者 沖野岩三郎(1876-1956)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D4sho:[職業婦人]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Wkut:[靴;サンダル;靴修理;靴磨き]
Wka:[鞄]
K002:[ビジネス街;オフィス街 ex.City of London,丸の内周辺]
時代区分・年代 20世紀前半;1930(昭和5)年
国名 日本
特定地域 東京;丸の内
キーワード 婦人記者;キャプリン;キャペリン;カプリーヌ;ワンピース;ヒール;バッグ
男女別 男性;女性
体の部分 全身