近代日本の身装文化(身装画像)
説明 デパートの販売員をしているヒロインに、豊かそうな令嬢が近づき、共通の知人――一人の男性について聞きただしている。ヒロインはこの時代、デパートにかぎらず、販売係や事務員に広く用いられたコート型の上っ張りを着ている。売り場でもオフィスでも和服の人が多かったこの時代、大振りで東コート風のこの仕事着は重宝がられて、戦時中まで続いた。このヒロインの着ているものは袂付きだが、袂のないものが多く、そうすると、きものの袂を袖の中に突っ込むと袖が重くなって、その点が不具合だと言われた。彼女はおとなしい、ということは、小さめの束髪に結って、耳の後ろに造花を飾っている。耳隠しはそろそろ飽きられだしていた。第81回の休憩室のソファの令嬢は脚を組んでいて、短いスカートが膝より上に吊り上がり、下のシュミーズの縁レースがかなりのぞいていて、お行儀が悪い。これは二人の関係、とくに令嬢の感情を暗示している。このころは洋装の下に着るものは、すべてシミーズ、という呼び方をするのがふつう。だからこういうのをシミチョロと言った。(大丸 弘)
ID No. B06-136
出典資料 国民新聞
発行年月日 1929(昭和4)年7月4日号 8面
画家・撮影者 須藤しげる(須藤重)(1898-1946)
小説のタイトル 嘆きの扉(81):行路(4)
作者 畑耕一(1896-1957)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D4sho:[職業婦人]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
D7re:[令嬢モデル]
D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
D2yo:[洋髪;ウエーブ]
Wkut:[靴;サンダル;靴修理;靴磨き]
時代区分・年代 20世紀前半;1929(昭和4)年
国名 日本
キーワード 造花;ソファ;足を組む
男女別 女性
体の部分 全身;上半身;坐臥
関連情報 B06-135, B06-136