近代日本の身装文化(身装画像)
説明 耳に少し被る程度の断髪の、若い女性。巨万の富を持つ父親と、持って生まれた美貌のほかに、一流の女流庭球選手、という付加価値は昭和に入ったこの時期らしい。断髪はモダンガール同様、マスコミの話題になったほどには実際には見られなかった、という証言が多い。1960年頃のヘップバーンスタイルの時もそうだったが、ショートカットは美容院代が高くつき、その出費は若い人にとっては馬鹿にならない。そのうえ、昭和初めというこの時代、上手なカットのできる美容師は稀、というより、そもそも鋏や剃刀を使えるのは理髪師だけだった。ただし、このヒロインについては、髪を切ることについての障害はほぼクリアできたかもしれない。中央分けした髪には大きなウエーブがかかり、毛先は頬のところでいわゆる wind-blown 風に前に出し、ロックをつくっている。着ているのは大きな水玉風の柄のあるノースリーブのシュミーズドレスで、深い襟ぐりに沿って真珠のネックレスをしている。残念ながら現在見ることのできる印刷条件では、肝心の鼻梁の線がほとんど消えてしまっているため、大きな目と濃い唇だけの、呉服売り場のマネキンめいた、表情の乏しい人形顔になっている。(大丸 弘)
ID No. B04-040
出典資料 読売新聞
発行年月日 1927(昭和2)年9月25日号 6面
画家・撮影者 富田千秋(1901-1967)
小説のタイトル 愛欲変相図(4):緋色の孔雀(4)
作者 近藤経一(1897-1986)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2yo:[洋髪;ウエーブ]
Wkub:[首飾り;ネックレス]
Whou:[宝石;貴金属;真珠]
時代区分・年代 20世紀前半;1927(昭和2)年
国名 日本
キーワード シュミーズドレス;ノースリーブ
男女別 女性
体の部分 上半身