近代日本の身装文化(身装画像)
説明 外出から帰ったままの恰好でこの耳隠しの娘は、「横坐りして、左の手を畳につき、どの指も袂で見えないようにしていた」。小さいときから躾けられて、長時間の正座に慣れていたこの時代の人は、男女とも膝を崩すということは滅多になかった。あぐらよりも、横座りよりも、正座の方が楽だったから。この女性は仲の良い姉にいくぶん甘える気持ちでもあるが、じつはいつも左手に嵌めている指輪の失われたことを、姉に知られたくないための策略なのだった。横座りはしないでも、ものを言うとき、あるいは言いづらいとき、少し身体を曲げて片手を突き、畳に「の」の字を書いたり、けばをむしったりする、というのはよくあるシーン。羞恥心や、ものを言いたくても言えない気持ちの表現として。(大丸 弘)
ID No. B03-066
出典資料 読売新聞
発行年月日 1926(大正15)年8月24日号 4面
画家・撮影者 須藤しげる(須藤重)(1898-1946)
小説のタイトル 聖火(8):家出(1)
作者 岡田三郎(1890-1954)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2mi:[耳隠し]
Vfu:[振袖;袂]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
時代区分・年代 20世紀前半;1926(大正15)年
国名 日本
キーワード 横座り
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥