近代日本の身装文化(身装画像)
説明 ハイソサエティに属する世界に住む四十近い人妻。夫は外務省勤め。軽い呼吸器病のため海岸の別荘で使用人相手の一人暮らしが多い。髪を七三分けして軽いウエーブがかかっているのは時代の先端。しかも流行りはじめの耳隠しだが、両耳を隠しているのでおとなしい印象。家での恰好を描いた第1回では、小紋の羽織に縞のきもの、濃い色の半襟が、たぶん手入れの好い襟の白さを際だたせているだろう。第7回の束髪はかなり廂(庇)(ヒサシ)をせり出し、耳も見せていて、第1回のスタイルとはちがう。湘南辺に別荘住まいの奥様たちは、銀座の美容院へ行くのに一時間くらいかけるのはなんとも思わなかった。この時期はアイロンの使いはじめで、アイロンウエーブができる美容師は東京でもごくわずかだった。第7回の車中の彼女が、化粧道具など細々したものを入れた「鰐皮の手提袋」から本を取り出すくだりがある。布製の信玄袋などから、革製のハンドバッグの時代になりつつあったが、ハンドバッグという言い方はまだ耳慣れなかった。(大丸 弘)
ID No. A21-062
出典資料 大阪朝日新聞
発行年月日 1921(大正10)年1月1日号 7面
画家・撮影者 幡恒春(1883-1944)
小説のタイトル 断崖(1):春の海(1)
作者 徳田秋声(1871-1943)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D005:[20~30歳代の女性;年増]
Vhao:[羽織]
Vhan:[半襟]
D2:[ヘアスタイル]
D2sit:[七三;女優髷]
D2yo:[洋髪;ウエーブ]
時代区分・年代 20世紀前半;1921(大正10)年
国名 日本
キーワード 奥様;竪縞のきもの;小紋の羽織;七三分け;ウェーブ
男女別 女性
体の部分 上半身
関連情報 A21-062, A21-063