近代日本の身装文化(身装画像)
説明 料理屋の調理場に忍び込んだこそ泥少年を、若い者たちが捉えて仕置きをしようとしていたところ、通りかかった男が取りなしている。男の正体は第1回では分からない。「セルの単衣ものに絽袴を穿いて、薄い鼠の中折帽子、わざと羽織も着ていないのが心憎い」。洋杖(ステッキ)には銀の握り、大きな駒下駄には柾目(マサメ)が通っている、とあって、西郷さんの銅像を若くしたようとあるが、身なりは銅像の西郷さんよりだいぶ上等。わざと羽織云々とあるのは、女性からはじまった無用の夏羽織を着ることが、この時代になると男にも波及してきたため。追っかけてきた四,五人の若者というのは板場の連中で、そうでなくても気の荒い稼業、印半天の袖を捲って手荒いことがはじまろうとしている。料理屋の板場――調理場はシェフに当たるハナ板からいちばん下っ端の洗い方まで、位によって仕事が決まっていたが、恰好はみんな職人共通の半纏腹掛け股引に前垂れだった。それが衛生法規がやかましくなるにつれ、白い上っ張りを身に着けるよう要求され、最初はずいぶん抵抗があったようだ。(大丸 弘)
ID No. A20-126
出典資料 報知新聞
発行年月日 1920(大正9)年9月21日号 8面
画家・撮影者 石井滴水(1882-1945)
小説のタイトル 残紅(1)(1(1))
作者 なにがし
資料タイプ 挿絵
身装画像コード Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Vhat:[半天;どてら]
時代区分・年代 20世紀前半;1920(大正9)年
国名 日本
キーワード 中折帽子;中折れ帽子;印半纏;腕まくり
男女別 男性
体の部分 全身