近代日本の身装文化(身装画像)
説明 崖下の裏長屋住まいの娘が、共同水栓のもとで洗濯をしていると、崖の上からテニスボールが落ちてきた。友人の邸内のテニスコートでゲームしていた若者が、ボールを追って屋敷裏の崖っぷちまで来ると、崖下でボールを握っていたのは子どものころの遊び相手だった、郷里の村の、もう永いこと会っていなかった娘だった、という場面。東京市の水道はもう二十三区のほとんどの地区に通じていたが、関東大震災(1923年)までは場末では各戸に配管されてなく、むかしの井戸が水道に変わっただけ、という共同水栓が多かった。貧しい暮らしの娘の恰好は、洗い晒しの紡績絣の袷に、色の褪めかかったモスリンの帯を締めて、赤いメリンスの細紐を襷にしていた。モスリンとメリンスは同じ。メリンスといえば安っぽくて派手なものの代名詞のようだった。(大丸 弘)
ID No. A19-076
出典資料 読売新聞
発行年月日 1919(大正8)年2月10日号 6面
画家・撮影者 石井滴水(1882-1945)
小説のタイトル 落潮(おちしお)(26):春(6)
作者 小栗風葉(1875-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード K122:[水汲み場;洗濯場;共同井戸]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
Qkas:[絣]
Wmae:[前掛;エプロン;割烹着]
Vtas:[襷]
時代区分・年代 20世紀前半;1919(大正8)年
国名 日本
キーワード 紡績絣のきもの;襷掛け;メリンスの細紐;共同水栓
男女別 女性
体の部分 全身