近代日本の身装文化(身装画像)
説明 身近な親族のわびしい生活が、その着衣によって暗示される。主人公(私)のもとに弟の舅が訪ねて来たが、帰りしなに玄関の折れ釘に掛けておいたインバネスを取った。それはかつて私が弟に与えたものらしかった。挿絵はそのインバネスを着た老人と私が、連れだって弟の家に行く道。その弟はこれから横浜へ行くというのに、「もうかなり寒い季節なのに、(弟の)治助は外套どころではない。羽織すら着ていなかった。背後で結び下げた兵児帯も古び汚れているし、頭に戴いた洒落た型の帽子も、もうかなりの年数を経ているらしかった」。衣類の価格は相対的に高く、家の財産の中では、現代の高額な家庭電化製品――洗濯機やクーラー並みの重みがあった。だから中以下の暮らしの庶民は、外出着の着替えなど、持っていないのがふつうだった。(大丸 弘)
ID No. A19-050
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1920(大正9)年1月7日号 6面
画家・撮影者 池田輝方(1883-1921)
小説のタイトル かくれ沼(74)
作者 中村星湖(1884-1974)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D016:[中年~初老の男性]
D017:[男の老人]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Vwa:[男性和装外套]
Pja:[ジャンパー;ブルゾン]
時代区分・年代 20世紀前半;1920(大正9)年
国名 日本
キーワード [インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント]
男女別 男性
体の部分 全身