近代日本の身装文化(身装画像)
説明 おそらく挿絵画家は、この日の本文をば持てあましたにちがいない。小説家は女との別れを、「所有することばかりが恋ではない。躰を合わせることばかりが恋ではない。一層深い所有は、却って所有せざるところにある。一生躰を合わせない恋も、決して恋でないということは出来ない」といった繰り言で一日分を埋めている。しかし一方で、この塀の落書きのような絵を、挿絵についてはかなりうるさい方だった田山花袋はどう思ったろうか。画家の名取春仙は挿絵とカットの境界のようは絵を描く人だ。ただしこの絵は、これが挿絵なのかカットなのかなどという以上に、春仙の笑いがきこえるようだ。芸者島田の毛筋などは無視して、6Bくらいのエンビツでゴシゴシ塗りつぶしているそのタッチから。(大丸 弘)
ID No. A19-035
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1919(大正8)年8月18日号 6面
画家・撮影者 名取春仙(1886-1960)
小説のタイトル 新しい芽(8)
作者 田山花袋(1871-1930)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2sim:[島田;高島田]
時代区分・年代 20世紀前半;1919(大正8)年
国名 日本
男女別 女性
体の部分 頭部