近代日本の身装文化(身装画像)
説明 牛乳配達をして中学に通っている苦学生。年齢は二十歳に近い。風邪をひいて、間借りしている二階の部屋で十日ほど寝ていたのだが、自分になにか用のある人がいるというので、「病みあがりの身を微温湯(ヌルマユ)で拭いて、その他には何も持たぬ紺絣の書生羽織を着て」、隣の家まで出掛ける。他には何も持たないといっても、きものと帯はもちろんある。襟のかかった細かい縞のきもので、その下には襟の詰まったメリヤスのシャツを着ている。きものの襟の描き様に奇妙な点はあるが、この見えているものの他は黒っぽい色の兵児帯と紺足袋、そして猿股か越中褌(フンドシ)だろう。書生羽織は丈の長い木綿の綿入羽織で、上にマントを羽織る者もいるが、たいていの若者は真冬でもこれだけで通す。二階借りの苦学生などは、用便と歯磨き以外、下に降りて行くのが億劫ということもあって、下着の洗濯など滅多にしなかったし、きものに至っては何年もそのままだったから、描いているように枕や襟の汚れなどはひどいのがふつう。この若者は、目上の人と会うというので身体を拭いているのは感心だが、それも十日も寝ていたためだろう。(大丸 弘)
ID No. A17-027
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1917(大正6)年4月5日号 6面
画家・撮影者 名取春仙(1886-1960)
小説のタイトル 黒水晶:未来の実業家(1)
作者 渡辺霞亭(黒法師)(緑園)(朝霞隠士)(無名氏)(匿名氏)(1864-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D014:[若い男(20歳前後~30歳前後)]
D4ga:[学生・生徒(男子中学生以上)]
Vhao:[羽織]
Pu0:[アンダーウエア]
時代区分・年代 20世紀前半;1917(大正6)年
国名 日本
キーワード 書生羽織;細縞のきもの;メリヤスシャツ
男女別 男性
体の部分 上半身