近代日本の身装文化(身装画像)
説明 夫にほかの女ができて、子どもを負わされて別れた。いまは人仕事をして細々と暮らしている、という三十代の女性。そんなつらい境遇でなくても、この時代のごくふつうの下町風の年増女の恰好、と言ってよい。ぐっと襟を抜いた黒襟付きのきものに同じ襟付きの半纏、「今では夢にも見ることのできないお召しや縮緬」と言っているくらいだから、みんな手ざわりの粗い、太めの縞柄の木綿きもの。髪はもちろん手づくね。若いのでまだ毛が多く、髱(タボ=後ろ髪)を大きく取って、頭のてっぺんで櫛巻のようにしている。あえてあるスタイルにする、というのでなく、自分の手で簡単にまとめる髪はこんな、一種の束髪風になる。ふだん髪結さんに結ってもらっているような女性は、五人に一人もいなかったろう。この時代の女性にはまだ、毛を短く切ってサッパリする、などということは夢にも考えられなかった。(大丸 弘)
ID No. A17-001
出典資料 東京日日新聞
発行年月日 1917(大正6)年2月11日号 4面
画家・撮影者 池田輝方(1883-1921)
小説のタイトル 誘惑(1)(1):養女
作者 徳田秋声(1871-1943)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D2:[ヘアスタイル]
D3ut:[打合せ;襟あき;ぬき襟]
Vka:[掛襟]
Vhan:[半襟]
Vhat:[半天;どてら]
Esa:[裁縫;裁縫実習;裁縫用具;ミシン]
時代区分・年代 20世紀前半;1917(大正6)年
国名 日本
キーワード 櫛巻風;抜き襟;黒襟;針山
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥