| 説明 | 若い尼僧がひそかに寺を抜け出して還俗する。協力してくれる知人の家の一室で、いま、墨染の衣から令嬢風の姿に着替える。「葡萄鼠の袷衣、同じ被布、乳黄色の頭巾(ヴェール)、綾博多一本独鈷(ドッコ)の帯、長襦袢、肌衣、足袋、朱珍(繻珍)の鼻緒の両刳の駒下駄」。これで、「誰が見ても貴族方のお姫様」の姿になる。いま男が手に持っているのは被布。小襟と呼ぶ半月形の襟と、桜の花の形の組紐飾りが特色。「被布姿は一段の艶色を添えたのであった」というように、流行の吾妻コートなどと比べると、やや古風な雅やかさのあるもの。この挿絵ではヴェールを被っていないが、お高祖(コソ)頭巾がもう過去のものになったあと、三越などの宣伝によって一時的にヴェールが流行した。ちょうどその初めの時期に当たる。このあと、女性が顔を隠すような被りものを用いることはなかった。(大丸 弘) |
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| ID No. | A12-061 |
| 出典資料 | 都新聞 |
| 発行年月日 | 1912(大正元)年9月9日号 1面 |
| 画家・撮影者 | 井川洗厓(1876-1961) |
| 小説のタイトル | 黒髪(61):時雨の夜(3) |
| 作者 | 遅塚麗水(1866-1942) |
| 資料タイプ | 挿絵 |
| 身装画像コード | D4so:[僧侶;神官;聖職者] Vhi:[被布] D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬] Wne:[ネクタイ;ネックバンド] Wme:[眼鏡] H000:[照明;照明具(一般)] |
| 時代区分・年代 | 20世紀前半;1912(大正元)年 |
| 国名 | 日本 |
| キーワード | 還俗の情景;尼僧;着替え;令嬢風;小襟;組紐飾り;ワイシャツ;ホワイトシャツ;立ち襟;スタンドカラー;ランプ |
| 男女別 | 男性;女性 |
| 体の部分 | 全身 |