近代日本の身装文化(身装画像)
説明 女優をヒロインとした新聞連載小説はこれまでにもあったが、女優誰々と表題に出した作品が二作現れたのはこの年がはじめて。また、このあとにもない。帝国女優養成所が発足して十五人の女優が誕生したのはこの前年だった(→年表〈事件〉1908年9月 「川上貞奴の帝国女優養成所」1908年9月)。はじめのうちの、女優に対する偏見はひどかった。それは本作品の冒頭、この日の本文でもわかる。「そんな学校へ入る者は、堕落女学生か、芸妓のなりそこない(……)」と反対する伯父の言葉はたぶん世間一般の通念だったろう。女学校の卒業を前にして、まだ肩揚げのある羽織を着ているヒロインは堂々と正論を吐いている。頭の束髪は小さめで廂髪(庇髪)(ヒサシガミ)というほどではない。二百三高地のなごりのまだ残っている髷の根元にリボンを巻いているのは、十代の娘がだれもしていたことだが、わりあい控え目な大きさであることはこの娘の性格を表している。(大丸 弘)
ID No. A10-093
出典資料 時事新報
発行年月日 1910(明治43)年12月17日号 11面
小説のタイトル 女優葛子(かつらこ)(1)
作者 東天
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D7joy:[女優モデル(この年の人気女優,封切り映画の出演女優)]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vhao:[羽織]
Vkat:[肩揚げ]
G043:[縁先;縁端]
時代区分・年代 20世紀初め;1910(明治43)年
国名 日本
キーワード リボン;火鉢;座布団;屏風;縁側
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥