近代日本の身装文化(身装画像)
説明 看護婦学校の卒業を目前にしている二十一,二の女性。「さして美人というほどでもないが、きわめて優しやかな」というヒロイン。彼女を養ってきた兄の上司が最近妻を亡くし、この女性に眼をつけた。上司は女癖の悪い人間で、そのうえ彼女はすでに、前途有望なある医学生との縁談がはじまっているのだが。「いつも高尚(ジミ)な紺絣に、唐縮緬の丸帯を、お太鼓結びに端然(キチン)と結んで、古い型の洋傘を差して」という姿は、鎌倉の貸別荘の一間で静養の日を送っている彼女のふだん着。紺絣は男性も愛用するきもので、「高尚」を地味と読ませている点に注意。第13回はたまたま同じ貸別荘に入ることになった上司に挨拶をしているヒロイン。その男に看護婦など淫売と同じ、といわれて悔しがるのが第24回。廂髪(庇髪)(ヒサシガミ)は前、横への張り出しが控え目になりはじめた時期で、彼女は玉簪(タマカンザシ)と、髷の後ろに束髪櫛を挿している。油気の少ない束髪は後れ毛が多くなるので、それを調える大きめの櫛はどうしても必要。(大丸 弘)
ID No. A10-032
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1910(明治43)年7月10日号 7面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 蛬(きりぎりす)(1)
作者 半井桃水(1860-1925)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D005:[20~30歳代の女性;年増]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
Qkas:[絣]
Vob:[帯]
Wkas:[傘]
時代区分・年代 20世紀初め;1910(明治43)年
国名 日本
キーワード 紺飛白;唐縮緬の丸帯;洋傘
男女別 女性
体の部分 上半身
関連情報 A10-032, A10-038, A10-039, A10-041