近代日本の身装文化(身装画像)
説明 ここでは老女の被布の二つの事例を対比させる。被布は和服としてはめずらしく斜めの打ち合わせでなく、胸元を塞ぐ構造になっている。おそらくその点が好まれて、幼い女の子から年寄りにまで広く利用された。きものに代わるものではないから、行李に一枚か二枚の洗い替えしかないような階級の着るものではない。そういうことから子どもの被布も老女の被布も、暮らし向きのいい家の人間という雰囲気をもっていたろう。とはいうもののその中にまたかなりの隔たりはある。3(3)は、「ゴブラン織に大きく牡丹の花を織りだした裁立の被布に、茶と藍との千筋お召しの袷衣、左右の手にピカピカと石入りの指環が光って、姥桜も見ようによっては隅に置かれぬ姿」とあって、一時代前のお部屋様といった貫禄。一方、5(2)の方は、茶の絹紬(ケンチュウ)の被布とあるだけ。絹紬は絹ものでも夜具や傘などによく使われる丈夫向きの素材で、被布やコートのような外套にも使われる実用向きのもの。ともあれこの老女も「言葉付きから爪外れ(ツマハズレ=振舞い)まで、由ある人のなれの果てかとも見えた」と、それなりの上品な貫禄を持っているらしい。(大丸 弘)
ID No. A09-074
出典資料 報知新聞
発行年月日 1909(明治42)年10月26日号 8面
画家・撮影者
タイトル
小説のタイトル 黄菊白菊(5)(2)
作者 渡辺霞亭(黒法師)(緑園)(朝霞隠士)(無名氏)(匿名氏)(1864-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D007:[女の老人]
Vhi:[被布]
時代区分・年代 20世紀初め;1909(明治42)年
特定通称名
国名 日本
特定地域
キーワード 絹紬の被布
男女別 女性
体の部分 上半身
関連情報 A09-073, A09-074
著作権情報
備考