近代日本の身装文化(身装画像)
説明 馬車の轍に触れて死んだ父親の初七日、墓参の娘と連れ立っているのは陸軍の騎兵中尉。私服の士官は近所のかみさん連に「今日はハイカラね、中折にインバネスで(……)」と蔭口されている。紺絣のきものに紺足袋、薩摩下駄を履いてステッキを突く姿をべつにハイカラとは言えないが、いつもの軍服に比べれば紳士風、ということだろう。トンビや二重廻しに対して、洋服の上に着るのがインバネス、と説明する人もあるが、下々ではそんな明瞭な区別はしていないようだ。本文中に口さがないかみさんたちを、「櫛巻は紫色の歯ぐきを出して嗤う」、「洗い髪の先を老馬の尻尾のように結んだ古女房は、お歯黒の剥げた泥鰌歯を剥き出し」と描写している。櫛巻も馬の尾も、幕末の一般的な下町の女房の髪で、お歯黒とともに、風俗は下々の階層では容易に変わらないことを示している。(大丸 弘)
ID No. A09-053
出典資料 都新聞
発行年月日 1909(明治42)年1月21日号 1面
画家・撮影者 井川洗厓(1876-1961)
小説のタイトル 剣の舞(19)
作者 遅塚麗水(1866-1942)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G14:[墓地のある景観]
D5ha:[墓参;寺参り;神詣で]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Vwa:[男性和装外套]
Qkas:[絣]
Vta:[足袋]
Wge:[下駄;クロッグ]
Wtu:[杖;ステッキ;松葉杖]
D2ma:[丸髷]
Vhao:[羽織]
Wzo:[草履;草鞋]
時代区分・年代 20世紀初め;1909(明治42)年
国名 日本
キーワード 墓参り;中折帽子;中折れ帽子;[インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント];紳士風;薩摩絣;書生羽織;紺足袋;薩摩下駄;ぞうり
男女別 男性;女性
体の部分 全身
関連情報 A09-052, A09-053