近代日本の身装文化(身装画像)
説明 第8回,第12回のふたつは同一の女性。第8回は結婚を明日に控えた夜。第12回は熱海への新婚旅行の一等車の車中。第8回はヒロインのふだんの髪だろう。その束髪についてこんな考えを持っている。「雛江は毛筋の通った日本の髷を嫌う。思いきってゆるく出した前髪は惜しげもなく生え際を隠して、さながらの洋帽(ボネット)のように額を包み、余る緩みは右左にうねり曲がって面白い癖を成す、癖を喜ぶ女は人に異なった特色を誇るので、雛江は勿論当代の才媛と聞こえている」。前髪をじゅうぶん出している点では廂髪(庇髪)(ヒサシガミ)にはちがいないが、硬い一直線の軒廂(庇)(ヒサシ)ではなく、顔の上半分を丸く包むボンネット風、というスタイルはこの時代ではユニークだし、ここでは癖、と呼んでいる一種のウエーブをつくる点は、時代を先どりしている。それと比べると第12回では、常套的な二百三高地になっている。この結婚相手は、新婦と年の違わない息子を持つ、すでに中年を過ぎた身分ある紳士。中山帽に、毛の襟つきの二重外套。新婦の着ているのは被布。第20回はべつの十代の女性。十代の女性であるのは、大きなリボンと後ろのお下げでわかる。着ているのは被布で髪は束髪、という点は第12回の女性と同じだが、束髪は全体が平になり、高い髷は消滅している。(大丸 弘)
ID No. A08-034
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1908(明治41)年5月8日号 7面
画家・撮影者 河合英忠(1875-1921)
小説のタイトル 空薫(そらだき)(12)
作者 大塚楠緒子(1875-1910)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G7:[乗り物(車内を含む)]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
D2:[ヘアスタイル]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vhi:[被布]
D016:[中年~初老の男性]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
D1hi:[ひげ]
Vwa:[男性和装外套]
Wme:[眼鏡]
時代区分・年代 20世紀初め;1908(明治41)年
国名 日本
キーワード 庇髪;二百三高地髷;リボン;中山帽;[インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント];口髭
男女別 男性;女性
体の部分 上半身
関連情報 A08-033, A08-034, A08-035