近代日本の身装文化(身装画像)
説明 東京で不自由もなく暮らしている二十二,三の男性、これといった決まった職業はない。この日の外出もこれといった目的はなく、ただ母にいわれた小さな用事で気が重い。本文には「手に鳥打帽子をなぶりながら」とあるが、挿絵は中折帽子になっている。鳥打と中折帽とでは主人公であるこの男の性格もこの日の気分も、いくぶん違うのだが。紺飛白らしいきものに縞の羽織、腕には二重外套を抱え、紺足袋を履いている。渡部審也の挿絵にはやや抽象的な表現部分があり、格子模様らしい外套の柄もそのひとつ。第1回では眼鏡を鼻眼鏡のように描き、第3回では縁を描き入れているのもそのひとつ。出がけに口をきいた母親は倅(セガレ)の「他所行きの羽織」を縫っている。中流以下の、ということはたいていの家では、男は礼服のほかに、ふだんの羽織と他所行きの羽織の二種類を持っていた。それに袷と綿入れとがあり、ほかに夏の単衣羽織を持てば、羽織だけでも女の仕事は楽ではない。(大丸 弘)
ID No. A07-061
出典資料 時事新報
発行年月日 1907(明治40)年1月21日号 11面
画家・撮影者 渡部審也(1875-1950)
小説のタイトル 寒熱(1)(1(1))
作者 広津柳浪(1861-1928)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D014:[若い男(20歳前後~30歳前後)]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Wme:[眼鏡]
Qkas:[絣]
Vwa:[男性和装外套]
Vhao:[羽織]
Wku:[頸覆い(マフラー,ストール,襟巻,ショール)]
Vta:[足袋]
時代区分・年代 20世紀初め;1907(明治40)年
国名 日本
特定地域 東京
キーワード 中折帽子;中折れ帽子;紺飛白のきもの;竪縞の羽織;[インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント];紺足袋
男女別 男性
体の部分 全身
関連情報 A07-061, A07-062