近代日本の身装文化(身装画像)
説明 晴れた秋の日の川縁を散策しているのは売れっ子の芸者と、その若い旦那。旦那は縞のきものに縞の羽織、変わり柄の角帯を締め、中折帽を被って両刳の駒下駄を履く。五十万と噂のある財産家の後継で、宝息子と渾名されている。その宝息子に手をとられている女は「顔が細面で目尻のキリッとした痩せ肉の美人(……)風通の二枚袷に厚板の帯をキチンと締めて、蝙蝠傘を持った片手に金剛石の指環が秋の日に映ってキラキラ光っている」。女はまもなく宝息子といっしょになる。芸者であるのに丸髷を結っているのは、旦那持ちの芸者のよくすることで、今日一日夫婦の気分を味わっているのだろう。本文中にも「堅気造りだがどこやらに商売人らしい意気な所のある」姿といっている。二枚袷は綿入に入る前の晩秋の恰好で、呉服屋も例年力を入れて宣伝した。風通は一枚のきれの表裏がべつの模様になる高級織物。よい天気らしいのにふたりとも、とくに男が蝙蝠傘を手にしているのは、この時代かなり多くの男性が、ステッキを放さなかったことと関係があるのだろうか。(大丸 弘)
ID No. A07-058
出典資料 都新聞
発行年月日 1907(明治40)年10月24日号 3面
小説のタイトル 宝息子(2)
作者 伊原青々園(伊原敏郎)(1870-1941)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7ge:[芸者;半玉;舞妓]
D014:[若い男(20歳前後~30歳前後)]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
D2ma:[丸髷]
Vhao:[羽織]
Vob:[帯]
Wge:[下駄;クロッグ]
Wkas:[傘]
時代区分・年代 20世紀初め;1907(明治40)年
国名 日本
キーワード 川べり;散歩;中折帽子;中折れ帽子;長着;角帯;両刳りの駒下駄;風通;洋傘;蝙蝠傘;こうもり傘
男女別 男性;女性
体の部分 全身