近代日本の身装文化(身装画像)
説明 この四枚の絵に登場する主要人物は、尺八を吹く盲目の老人、踊り子、編笠の親方の三人。まず老人の身なりは、「紋は紅くなり襟は垢に染みた羽織を着て、縞目も分からぬ袷を一枚、鼻緒の緩んだ日和下駄」とあり、1(1)のひとり筵(ムシロ)に座った姿では、羽織の代わりに格子柄の袖無しのちゃんちゃんこを着、これは話の筋とは別のときであるらしい。きものについては衣裳付けに縞目も分からぬ袷、とあるが、老人が1(3),1(4)のきものは、縞ではなく小紋柄で、衽(オクミ)だけが細かい竪縞という変わった仕立のもの。芸人にはそんな衣裳があったものか。第二の踊り子は、「黒地に白く七五三を模様につけた木綿の振袖を後に靡かせて、紫絣の小倉の馬乗袴に風を含ませ、紅絹の手甲脚絆ちらちらと美しく、白足袋に草履ばきの痩せぎすな小娘」とある。振袖の下部だけに、いわば裾模様をつけているのが七五三の模様であるらしい。しかし小倉の袴は描かれていない。第三の親方は、「年の頃は四十二三、娘とおなじような黒の紋付に縞の小倉袴、紐で吊った月琴を背中に回して白の手甲脚絆草鞋ばき、深く被った編笠」という。1(4)にだけ姿を見せる親方は衣裳付けの通り。踊り子は親方の手飼いだが、老人は行き逢っただけの人。踊り子の唄う黄橙(タチバナ)の歌に惹かれて、娘の身の上に同情したという。本文の説明と挿絵の人物の着るものがあまり違うと、読者の想い描くイメージが混乱するのではないだろうか。(大丸 弘)
ID No. A07-054
出典資料 都新聞
発行年月日 1907(明治40)年2月26日号 1面
画家・撮影者 井川洗厓(1876-1961)
タイトル
小説のタイトル 黄橙(たちはな)(1)(4)
作者 岡田八千代(1883-1962)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D017:[男の老人]
D003:[少女(ほぼ女学生の年頃(12~15,16歳))]
Wkab:[笠]
Vhao:[羽織]
Vfu:[振袖;袂]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
Wte:[手袋;手甲;腕覆い]
G05:[塀;門]
時代区分・年代 20世紀初め;1907(明治40)年
特定通称名
国名 日本
特定地域
キーワード 盲目の老人;踊り子;親方;編笠;黒紋付き羽織;衽(おくみ);尺八
男女別 男性;女性
体の部分 全身
関連情報 A07-051, A07-052, A07-053, A07-054
著作権情報
備考