近代日本の身装文化(身装画像)
説明 ヒロインは地方から出てきて東京の高等女学校在学中、上京した父親が縁談を持ってきた。相手はこの娘の幼なじみで、娘自身予期していた男性だったからなにも問題はないはずだが、ひとりで下宿住まいしていた娘は、にせ学生に見込まれて過ちを犯していた。この年、1907(明治40)年に改正高等女学校令が公布されているが、小学校をふつうに十二歳で卒業して女学校に入った場合、このヒロインがせいぜい十七歳ということにはかわりない(→年表〈事件〉1907年7月 「高等女学校令の改正」1907年7月18日)。にせ学生が法外な手切れ金を要求し、ヒロインが追いつめられる、というのが物語。女学生のスタイルとしての廂髪(庇髪)(ヒサシガミ)と海老茶袴は、このころ短期間に全国に広がった。ただこの初期の廂髪は、あとになってからのようには廂(庇)(ヒサシ)を突き出さないで、戦争直後の二百三高地風に髷を高くする傾向が残っている。それでも教育者の中には、束髪は推奨すべきだが廂髪は好ましくない、という人があった。第5回、および第10回の手前に立つ女性はヒロインの友人で、身なりに無頓着な娘。束髪も小ぶりでリボンこそしているが髷も低い。そもそも女学生の束髪は、たいていは朝起きると、自分の手でかんたんに纏めるものだから、その日の気分によって、全体の膨らみも髷の形も一様ではないだろう。1903(明治36),1904(明治37)年に流行した花月巻など、髷の結び様の名称はいろいろ残っているが、頭頂部分だけの違いなので、第15回,第21回のような視野でないと、よくわからなかったのではないだろうか。(大丸 弘)
ID No. A07-033
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1907(明治40)年7月2日号 7面
小説のタイトル 湯島近辺(8)
作者 武田仰天子(1854-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7jog:[女学生]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
Wzo:[草履;草鞋]
H000:[照明;照明具(一般)]
時代区分・年代 20世紀初め;1907(明治40)年
国名 日本
キーワード 階段;吊りランプ;庇髪;リボン;後れ毛;お太鼓結び;帯揚げ;ぞうり
男女別 女性
体の部分 全身
関連情報 A07-030, A07-031, A07-033, A07-035, A07-037, A07-038, A07-039, A07-040, A07-041, A07-046, A07-047, A07-049