近代日本の身装文化(身装画像)
説明 「寝ても起きても只これ一着、そもそも身に纏うて以来、いまだ嘗て肌を放した事もない」洋服を、洗って高い樹の枝に干したはいいが、足を踏み滑らせて転落、気がつけば大事な洋服は行方も知れないという始末。裏長屋住まいのこの髭男は日給二十銭の職工。おそらくこの男性の洋服は通勤と作業の両用なのだろう。学生服同様、着替えなどはないのがふつうだから、洗濯するとなると長期の休暇のある学生とちがい、天気のいい日曜日を狙って、なるべく高い、陽と風のよく当たるところに干すことになるのはやむをえない。日給二十銭は月給にすると五円。同時代に住み込みの女中の給料が三円くらいだった。まずクリーニング代の余裕はない。洋服を失って猿股ひとつのこの男は、第188回で同じ長屋の売春婦から古襦袢を借りている。シャツについての言及はどこにもない。(大丸 弘)
ID No. A06-148
出典資料 国民新聞
発行年月日 1908(明治41)年3月27日号 6面
画家・撮影者 公文菊仙(公文菊僊)(1873-1945)
小説のタイトル 八軒長屋(後篇)(188)
作者 村上浪六(1865-1944)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D1hi:[ひげ]
Wme:[眼鏡]
Wge:[下駄;クロッグ]
時代区分・年代 20世紀初め;1908(明治41)年
国名 日本
キーワード 上り口;職工;無精髭;猿股;日和下駄
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥
関連情報 A06-147, A06-148