| 説明 | 年頃の娘を持つ男やもめが、新しく妻を迎える。「哲子は葡萄色の万筋の御召に落ちついた茶の繻珍の丸帯、薄色縮緬の羽織を着ている」、三十を少し過ぎたくらいの、眼の清々しく澄んだ女性(向かって左側)。その友人で同伴の女性は、「地味な矢羽根の御召風通の小袖に白襟、バサバサした鬢(ビン=横髪)の妃殿下捲きに、(……)眉に迫った二タ皮眼は眼鏡を掛けている」という少し年下の女。二タ皮眼、というような顔つきの描写が、挿絵でも忠実に表現されるようになったのは、担当の渡部審也のおかげだろう。渡部の描くとりわけ女性の顔は、どれも特色のある渡部風なのだが、それでいてあの浮世絵式のつり目おちょぼ口からは、はっきりと脱した現代人の表情になっている。右側の女性の髪型が「妃殿下捲き」ということらしいが、それがどんなものか、この挿絵では具体的にはわからない。二人とも御召を着ているが、中流以上の女性の外出着としては、御召以外は考えられない時代がすでにはじまっていた。二重織物の風通はその中でも高価な素材。(大丸 弘) |
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| ID No. | A06-110 |
| 出典資料 | 時事新報 |
| 発行年月日 | 1906(明治39)年1月13日号 11面 |
| 画家・撮影者 | 渡部審也(1875-1950) |
| 小説のタイトル | 亡母の紀念(なきははのかたみ)(1):帰咲(5) |
| 作者 | 徳田秋声(1871-1943) |
| 資料タイプ | 挿絵 |
| 身装画像コード | G043:[縁先;縁端] D005:[20~30歳代の女性;年増] Vhao:[羽織] D1hi:[ひげ] Wme:[眼鏡] D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬] |
| 時代区分・年代 | 20世紀初め;1906(明治39)年 |
| 国名 | 日本 |
| キーワード | 縁側;火鉢;座布団;コーヒーカップ;二皮目(ふたかわめ);御召風通;二重織物;口髭;ジャケット;ズボン |
| 男女別 | 男性;女性 |
| 体の部分 | 全身;坐臥 |