近代日本の身装文化(身装画像)
説明 地方士族の娘である女主人公は、幼なくして父を失い、母親とともに上京し女学校を卒業、いまは六十ばかりの老母と暮らす小学校の教師、という現状。古風な母親は当世風の束髪は嫌いで、娘が女学生の間は、水の垂れるような島田髷を結わせて人の注目を惹いたこともある、とのこと。しかし今は事情が許さないので、しかたなしに束髪を結わせている。女学生が島田や桃割を結って常時通学することは、1910年代にはもうできなかったが、式の日であるとか体操のない日には、なにか家庭の事情で結ってくることはあって、たいていの学校は黙認したようだ。いまの彼女の廂髪(庇髪)(ヒサシガミ)は、当世流行の、というつもりではなく、「毛が人並みより多く生え際が濃いので、ふっくりと前のめりの自然に出来たハイカラ風」とある。この頃からこの形の束髪をハイカラと呼ぶ習慣がはじまり、これは第二次大戦後まで続く。母親はご隠居風の切り下げ髪、とあるが、てっぺんがずいぶん薄くなっている。この時代の六十の女性の老け込みかたは、現在では考えにくい。(大丸 弘)
ID No. A06-056
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1906(明治39)年6月2日号 7面
画家・撮影者 阪田耕雪(坂田耕雪)(1871-1935)
小説のタイトル 筆子:初枝の巻(1)
作者 菊池幽芳(あきしく)(1870-1947)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D007:[女の老人]
D2:[ヘアスタイル]
D005:[20~30歳代の女性;年増]
D4kyo:[教員]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
Vhan:[半襟]
Vhaf:[袴(女性)]
Wou:[扇子;団扇;扇風機]
時代区分・年代 20世紀初め;1906(明治39)年
国名 日本
キーワード 切り髪;切下げ髪;小学校教師;庇髪;ハイカラ;小紋のきもの;座布団;うちわ
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥