近代日本の身装文化(身装画像)
説明 本文の中には女の二人連れが二組出てくるが、挿絵はその前の方、あまり重要な登場人物ではないふたりの安芸者。ふたりとも瓦斯物の羽織を着て――とある。瓦斯物というのは木綿に熱処理して毛羽を取り、絹ものまがいの光沢を出した織物で、もとより安物。まさかお座敷にこんな物を着ては出られないが、ふだん着にしても芸者稼業では哀れ。もっとも一口に芸者とはいうものの、名の通った花柳界で、箱屋を従えてお座敷に向かうような芸者ばかりが芸者ではなかった。永井荷風の作品を見ると、安娼婦だか芸者だか区別のつかない手軽な商売女が、いくらでも身近にいたらしいことがわかる。こちら向きの小柄な女は歳は十六で、おしゃまな潰し島田。潰しは芸者の結う髪で、ここでは生意気な、という意味だろう。東京横浜では大人の真似をする小憎らしい女の子を、おしゃまという。むこうを向いている年かさの女は、はっきりしないが島田ではなく、銀杏返しか。(大丸 弘)
ID No. A06-032
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1906(明治39)年8月28日号 7面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 懸賞当選小説 罪の命(15):途すがら(1)
作者 物集高量(物集梧水)(1879-1985)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7ge:[芸者;半玉;舞妓]
D2ni:[日本髪一般]
D2sim:[島田;高島田]
D2ic:[銀杏返し]
Vhao:[羽織]
Vhan:[半襟]
時代区分・年代 20世紀初め;1906(明治39)年
国名 日本
キーワード 安芸者;瓦斯物の羽織;潰し島田;つぶし島田
男女別 女性
体の部分 上半身