近代日本の身装文化(身装画像)
説明 東京・下町の、かなりの身代の商家の一人娘。「十六だと言うのに為(シ)ては大身体(オオガラ)で、流行のハイカラ様でも有るまい、と思ってか、襟の掛った衣物(キモノ)に結綿(ユイワタ)という拵(コシラ)えで、以前の町娘の風俗を其の儘(ママ)の、拗(ス)ねて却(カエ)って派手な姿」という衣裳付け。結綿は島田に、たいていは鹿の子の、派手な根掛けをかける髪で、それだけ華やかだが、やや子どもっぽくもある。この娘がちょうどいい年頃。もっともこの挿絵の結綿では、根掛けがごく小ぶりで目立たない。明治10年代には女学生でも黒襟の掛かったきもので通学していたが、このころになると、お正月でもなければこうした下町風はめずらしく、まるで芝居衣裳のように見えはじめてきて、「拗ねて却って派手」という言い方が肯(ウナズ)かれる。また一方で、江戸趣味がしきりに鼓吹されはじめるのもこの時代。右田年英の描く美人は、せまい富士額、濃い眉毛、少し吊り目一重瞼の狐目、おちょぼ口――という、浮世絵の定番をそのまま踏襲した、もう古風になりつつある美人顔なのだが、その表情に生きた人間味が感じられるのはなぜだろうか。(大丸 弘)
ID No. A06-012
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1906(明治39)年5月3日号 7面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
タイトル
小説のタイトル 真帆片帆(まほかたほ)(1)
作者 武田仰天子(1854-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D7re:[令嬢モデル]
D2yu:[結綿]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vhan:[半襟]
Vka:[掛襟]
時代区分・年代 20世紀初め;1906(明治39)年
特定通称名
国名 日本
特定地域 東京
キーワード 浮世絵風の美人;下町風;石畳模様のきもの;黒襟;根掛け;一重瞼;一重まぶた;つり目;おちょぼ口
男女別 女性
体の部分 上半身
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